霊的能力
「霊的能力」
スーパーの書籍売り場で、「3D写真で目がよくなる本」というのを買ってきた。
ちなみにその本には、目が良くなるだけでなく「あなたの隠されていた能力」がさらにUP!!
などという章もあった。
そこには世界中の山とか森などの風景の写真が掲載されていた。パラパラとめくっているだけで、なんとなくよい感じ。
本には、「しばらく眺めているとおもしろいほど浮き上がって見えてくる」と、あった。
しかし私はサッパリ見えなかった。がく。
二男にその本を渡し
「なあ、これ浮き上がって見えるか?」
と試してもらった
しばらく眺めていた二男が血相を変えて言った。
「メガネをかけてネクタイをしてヘンな帽子をかぶった男の人が見える。怖いよ?」
うっそーーどれどれ、と瞳を凝らして見てみたが、なんも浮かんでこない。
二男がからかっているとは思えない。だってだって二男の目から涙があふれているのだ。
そこまで真に迫る演技力は、彼にはまだ、ない。
「な、なんであんたにだけ見えるの?あ、もしかしたら」
私は、はっとした。
そして念のためにとたずねてみた。
「あんたちょっと今、背後に宣保愛子さんの気配を感じることはないか?」
「な、ないよーーおかあさん、こわがらせないでよーー」
と涙を、ひとつふたつこぼしながら言った。
「ごめん、もしかしたら、近くに憑依してはるのかもしれん、なんて思ったもんやから」
「わけわかんねー。やめてよーー怖いよーお母さん。なんでそんな怖い言い方できるの?」
「え?そう?怖かった。ごめんごめん^^。」
二階で勉強していた長男を呼んで彼にも見てもらうことにした。
しばらく眺めていたが、彼にも見えなかった。
こ、これはいったい!!!!!!!
試しに他の風景も見せた。
今度は、岩影に少年の顔が写っていると言い出した。
今度は、家にあった長男が生まれた時に撮った「お宮参りの時の写真」
を見て「緑色の手が写っているのが見える」
と言い出した。
そういえば昔、神社やお寺などで撮った写真には霊が写りやすいと聞いたことがある。
こ、これは、いったい!!!!!!!
「あ、あんたもしかして、特殊な能力があるんと違うか?」
「そうだ、お母さんも昔霊が写っている写真をたくさん見たことがあるって言ってたよね?」
と、二男が以前私が彼に話して聞かせたことを思い出して言った。
そうなのだ。この私にもある時期だけ驚くほどたくさんの心霊写真なるものを見ることができたことがあった。